栄養士会栄養施策
全ライフコースのほか、傷病者や被災者までをカバーする栄養施策
妊産婦・乳幼児
母子の健康を守り、安全な出産と育児に備える重要な時期です。妊産婦には葉酸や鉄分の摂取、適切な体重管理、母乳分泌を促す指導が求められます。また、乳幼児期には健やかな成長と発達を支えるため、適切な離乳食や食育を通じて、親子で健全な食習慣を育む支援が必要です。
学童期
身体が成長・発達する大切な時期であり、食に関する正しい習慣や知識を身に着けていくことが重要です。給食を教材として活用し、児童生徒に豊かな食経験を提供すること、個別性の高い事例へのきめ細やかな相談指導を実施することが求められます。
成人期(青年期・壮年期)
青年期は10代~20代後半頃までを指し、女性の慢性的なやせは将来の健康に大きな影響を及ぼすため、健康意識を高める啓発活動が必要です。 男性においては、脂質や糖質、そして塩分の過剰摂取が問題となっており、野菜摂取の低下による食物繊維不足やアルコールの過剰摂取も懸念されています。本人が実践できる支援策の提案が求められています。
高齢者
高齢者のやせ(フレイル・サルコペニア)が問題となっています。高齢者の場合、一度痩せると体重が非常に戻りにくいため痩せないことが大切になってきます。ただし、摂食嚥下や口腔状態、買い物難民や調理技術など問題が多数あり本人に寄り添った支援が必要になります。
傷病者
健診受診率の向上により、生活習慣病やがんの早期発見を促し、重症化を防ぐ取り組みが進められています。また、怪我や病気からの早期回復を目指した栄養管理や、摂食・嚥下機能が低下した方への食事調整を行います。さらに、医療や福祉と連携し、QOLの向上を目指した途切れることのない栄養支援が必要です。
被災者
震災などで生活環境が変わらざる得なくなります。生活スタイルが変わることで知らないうちに栄養が偏ることもあります。しかし様々なストレスを抱えている方へ良かれと思ったアドバイスが余計なお世話になることもあります。被災者に寄り添った支援ができるようスキルアップが必要です